カブトムシのエピソードから気づいた「自分を認める力」と、大人になってからの学び直し

子育て

いまも上の子は『昆虫王者ムシキング』の影響でムシが大好きです。去年の夏、虫全般に興味を持ち始め、カブトムシやらクワガタ集めに奔走したことがありました。それを聞いた田舎のおじいちゃんが、お盆に帰省したときにとっておいてくれたのです。

そこで、パパの子供の頃の話になりました。パパも小学生の頃、クワガタやカブトムシを山に採りに行ったりして飼育していたそうです。でも夕方、自分の不注意でムシを逃がしてしまい、大泣きしたことがあったのだとか。

両親はかわいそうにと慰めてくれたそうですが、本人は食事も取れないくらい悲しがっていました。それを見たおじいちゃんが、「隣の子がたくさんムシを飼っていたから、500円で譲ってもらおう」と、夜わざわざその子のところまでムシを買いに行ってくれたそうです。

運良くムシを手に入れた子供時代の夫は、ニコニコしたそうです。その話を夫に「覚えている?」と聞いたら、「そんなことあったけかなあ」という返事でした。でも夫は忘れてしまったかもしれませんが、子供時代にとても大切なことを学んでいました。

それは、「あるがままの自分を認めてもらえたので、自分の感情を素直に出すことができた」「あるがままの自分を認めてもらえたので、自分を信じ、認める力を身に付けることができた」 ということです。

私の育った家庭と、母からの否定

私はそのとき、自分の育った家庭とはなんて違うのだろうと思いました。もし同じことが私の子ども時代に起こったとしたら、慰めてもらえるどころか「何で泣くんだっ」「黙れっ」といって折檻されたでしょう。

事実、そうしたことは日常的に起こっていました。それは親が自分達で問題を解決できなかったからです。子どもを黙らせることによって親の威厳が保てると、親は信じて疑わなかったのです。

また特に母は、私達がとった行動に対してではなく、私達の存在そのものに対して怒りを投げつけました。つまり、私達の本質を攻撃したのです。

たとえば、私がお皿を割ったとします。するとまず頭ごなしに叱りつけ、私がいかに不注意か、日頃の態度がなっていないかということを3時間から4時間程度言いつづけるのです。そしてまた違うヘまをしたとします。すると以前の「お皿を割ったこと」をまた引き合いに出して、私を批判しました。

だから私は自分に自信が持てなかったし、自己否定感が強くなっていったのです。そして子どもながらに「問題を起こしてはいけない」「失敗をしてはいけない」「泣いてはいけない」と自分に言い聞かせてきました。もし妹がそういう状態になったら、妹に火の粉がかからないように同じようにアドバイスもしました。

感情を出せない苦しみと、専門書からの気づき

そして大人になっても、「自分の感情を素直に出せない」私には「感じることへの恐れ」がありました。自分がいまどういう感情でいるのかわからなくなるときがあって、途方にくれてしまうのです。

この感情を表現していいのだろうかというためらいの気持ちもありました。そしてそれが積もり積もって我慢できなくなると、激怒という表現方法になってしまっていました。それは母親との大ケンカという形になっても、多少なりとも私に関心を向けてほしいから、そうした選択を無意識にしていたのかもしれません。

そして夫が少年時代に学んだことのなかに「自分を認める力」というものがありましたが、専門書を紐解いてみると、それは過去の私が得られなかった、今の私に必要な項目なのでした。つまり、子供時代に「親から確認をしてもらえなかった」ことを、自分自身で学ぶ必要があるということです。

以下は、専門書からの抜粋です。

たとえば泣いているときに親から「悲しいんだね」と言ってもらうことは、自分の感情の確認となり、悲しんでいる自分を認めてもらえたという安心感となり、感情を出していいのだという確認になります。 なにか失敗したとき叱られるのではなく「がっかりしているんだね」「悔しいんだね」とまず認めてもらえることは、行動の結果にかかわらず、自分には関心を持ってもらえるだけの価値があるという確認になります。

だから子どもは「お母さん見て」「お父さんほらできたよ」と絶えず確認を求めるし、自分の気持ちが混乱してつらいときも擦り寄ってきたり、一見意味の通らないさまざまな言葉を並べて必死に確認を求めます。 こうやってたくさんの確認を得られた子どもは、自分のことを自分で認められるようになります。つまり、大人になって他人からの承認に頼らずに自分の価値を確認でき、自分の感情を認めることができ、自分のニーズや欲求を認められるようになるのです。

ということです。

つまり私は、子どもの頃に学ぶべき事柄を学び損ねてしまったのです。 私は大人ではあるけれど、この過程を学び直さなければならないのです。

大人としての土台をつくる5つのステップ

大人としての土台をつくるには、5つのステップが必要になります。

  1. 自分を認める力
  2. コントロールをある程度手放す力
  3. 感情を感じる力
  4. ニーズを見分ける力
  5. 限界と境界を設定する力

があります。今回の「カブトムシ」の話は、1.と3.になると思います。 そしてだんだん自己確認ができるようになると、かつてとは違うやり方で行動している自分に気づけるようになるのです。

自分が進歩していることがわかるし、「よくやった」と自分に声をかける気持ちになれます。希望が持てるようになり、進むべき方向がわかり、それが回復を続ける助けとなるのです。

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