どうやってそれを克服したらいい?
銀行を辞めた私は、人間不信に陥っていた。なんでこんな嫌なひとにばかりあたるのだろう。
また、このころ中学年になっていた子供たちに学校でいろいろあってそれを解決するために学校に行かなくては行けないのも憂鬱だった。
学校やママ友との付き合いに疲れ、職場でも嫌がらせを受けた。アダルトチルドレンのにおいがするからだめなのか。でもどうやってそれを克服したらいい?銀行を辞めてからそんなことをずっと考えていた。
ママ友も職場も怖いけどこれからのためにも何とかしなくちゃ。別の世界で。そんな時、市役所に行ったら市民活動の一環として自己啓発のための講座の冊子がおいてあった。
私はそのころ、勤めに出る仕事ではなく、何かネットで仕事ができないか考えていた。そんな中で洋裁はどうかなと思い、洋裁教室に通うことにした。
洋裁教室は、先生の自宅で行われており、良心的な月謝で自分の好きなものを作成できるということだったので何か社会とのつながりをと考えていたアダルトチルドレンの私にとってよいリハビリになった。
先生は10歳くらい年上で将来息子さんと住むために二世帯住宅を建てたけれどまだ同居はしていなかった。ご主人は趣味の音楽で仲間と演奏活動をし、先生は洋裁教室を週5日で行っており、いろいろな人が出入りしていた。
私は、先生やそこに来るおばさま方から洋裁をしながらいろいろな話を聞き、いままで機能不全の家庭で育った私の価値観を大きく書き換えることになった。
母と同じ世代の女性たちが自分の子供をどうやって育てか、どのような形でそれを継承しようとしているのか、孫やひ孫にどのようなことをしているのか、そうしたことを垣間見ることができた。
そこでは教室の後に先生や生徒が作ったおやつやお菓子などが出てお茶のみをするのだがそれも楽しみのひとつだった。その人たちの愛情を少し分けてもらったような気がした。
もちろん、私も自分が出来るときは人にも食べてもらったり、おすそ分けもしたので人に与えてもらってばかりではなかった。そこは母から反面教師で学んだことだ。それは人としての基本だと私は感じている。
そうしたことから私は、ママ友や職場で働くよりも先に洋裁教室に来たほうがよかったと思った。なぜなら、いきなり利害関係が直接あるママ友や職場にいくのは、機能不全育ちのアダルトチルドレンにとってはきついから。
私が行った洋裁教室は、緩い感じでお茶のみだけに来る人もいた。その人たちがいうには年齢があがると話し相手もいないし、利害関係がないところで息抜きしたいということだった。私とは違った意味で年金世代にもこうした場は必要なのだろう。
そうしたコミュニティは、市町村で配布している冊子やチラシを参考にすると格安な料金で自分にあった場所を探せると思う。注意点としてはそこだけに依存しないこと。
以前、恩師の先生にいろいろな場所に自分の居場所を作っておくと「ひとつの場所がダメでも別の場所があるさ」と思えるからいい、と教えてもらったことがある。
なのでアダルトチルドレンは特に自分の居場所をいくつか作るということが大切だ。私は、ママ友も職場にも恵まれなかったが洋裁教室は本当に自分の力になった。ただ、いまは理由があって一時中断中であるが。
そのころそうした意味からも私は、洋裁教室のほかにもいくつかの占いなども利用していた。それと自分のお気に入りの喫茶店をいくつか持っておくと行き詰まった時に気分転換になっていいと思っている。
私は、息子や娘の話をきくときも家ではなく、車やカフェや温泉などで話すようにしている。家では、気が散って話ができないこともあるし、いま抱えている問題に集中して話し合えるからだ。別のシチュエーションで話し合うと凝り固まった考えからも解放されて足元もてらされるようになるように感じている。
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