今日は夕食の時間についてです。
私の育った家庭は夕飯の時間が遅くて早くても8時、遅いと10時ということもたびたびでした。
何故こういうことになるかというとすべて母の機嫌によってご飯の時間が決められていたからです。
いま自分が主婦になって「三度のご飯の支度は大変だなあ」ということがよくわかるのですがその当時、子供の私たちにはおなかがすいて耐えがたいものがありました。もちろん私たちが夏休みになると食事は2回ですませます。また腐ったものと明らかにわかるものまで調理して出したり、お弁当に入れるので私たち兄弟が食中毒を起こしたのも2度や3度ではありません。だから私と妹はいまでもチャーハンは嫌いだし、ブリの味噌煮をみると冷や汗がでるのです。
食事の材料もさることながら夕飯は母がようやく重い腰をあげて6時から7時に下ごしらえからはじめるのでどうしても遅くなってしまうのです。それも「私はあんたたちの召使じゃないんだからねっ」とか文句たらたら言いながらなので近づきたがいものがありました。
ある程度大きくなると今度は「手伝うのが当然でしょう」といわれて手伝いをするのですが今度は私の性格を批判したりしだすのであまり近づきたくないというのが本音でした。
そのうち食事が大変だろうからとご飯の支度をひきうけると「この材料は使っちゃだめだったのに」とか「このフライパンはお母さんが何年もかけてようやく慣らしたものなのにこんなにしちゃって」とか、また文句が始まります。妹がやってもそうでした。
妹などは中学時代、運動部に入っていたのでこの夕飯の時間までは、おなかが持ちませんでした。しかたなく自分でラーメンをつくっていたら母がつかつか来て鍋の中味を見て「野菜が入っていないじゃないかっ」といきなり往復びんたされたといっていました。
とにかくすべてこの調子なので母の機嫌を損なわないよういつも夕食の時間はゆううつなのでした。
それが結婚するまで続き、今度は自分の家庭をもって家事を切り盛りするようになりました。うちの夫の育った家庭は三度の食事は必ず定時にすませる、5時半に夕飯で7時には寝るという生活パターンだったので私もそれに合わさなくてはいけなくなりました。でも結婚したての頃は共働きで夫の帰りも遅く平日は母のこのパターンでよかったのです。
でも子供が生まれて今度は時間を自分でコントロールしなければならなくなるとそうもいっていられなくなりました。子供は待ったなしに「おなかがすいた」とか「だっこして」とか夕飯どきになると必ず眠くてぐずぐずしたりします。
私は他の家庭ではどうやっているのか、本を読んで研究しなければなりませんでした。まず料理の本から手にとって料理研究家の家庭がどうやって運営されているのか、食事はどのような手順を踏んで用意するのかなどを学びました。
そのなかで私がこれはいいなとか、自分の感性にあっているなと感じる人の本を何冊も観察して自分のなかに力として蓄えようとしたのです。
まずは夕食の支度をするにあたって先手仕事をするということを取り入れることにしました。 つまり下ごしらえはあらかじめ時間を見計らってしておくこと、料理を多めに作り冷凍しておくこと、買い物は計画的にまとめ買いをすることなどです。そんなのはあたりまえかもしれません。でもアダルトチルドレンの私にとってそれはとても新鮮なものでした。
下ごしらえの仕方や冷凍のしかたについては鳩山幸さんや城川朝さんから学びました。鳩山さんや城川さんはアメリカがえりで合理的な考えを家事の中に取り入れていました。
料理研究家の四天王といえば小林カツ代、栗原はるみ、有元葉子、山本麗子のことですがそのなかで私の感性にあっていたのは小林カツ代と有元葉子でした。
この二人の料理から考え方まで料理というより生活の仕方を学びたくて図書館に行ったり本を買ったりして読み漁りました。
小林カツ代さんのお母さんは子供に甘かったようでよく学校をさぼったがうるさく言われなかったと述べています。でも自分はこの母から料理の味を学んだような気がするといい、また食道楽の父親からおいしさとはどういうものか舌で学ばせてもらったといっています。
有元葉子さんには三人のお子さんがいて「自分の母もそうだったが子供には無理に手伝いはさせなかった。でも舌で覚えていてくれればそれでいいと思っていた。」とおっしゃっています。
私の母は料理はうまいほうだと思います。生協をとって添加物を気にしていたし、私が魚をみようみまねでさばいたり、保存食をつくるのも母の影響なのかなと最近思います。
悪いことばかり連鎖は起こっていなかった。私は母の料理の味を舌で覚えているのかなと思ったのでした。
コメント
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